キャラの塗り方が分からない・・・
どーも、彩葉(いろは)です。
今回はいよいよ、キャラ塗りです!
デジ絵では基本となる、レイヤーを使った塗り方を解説します。
お絵描きの工程を大きく2つに分けると、「線」と「塗り」ですよね。
「塗り」は、たくさんの技法があって、奥深いです。
プロの絵師も日々、新しい塗り方やテクニックを研究しています。
コツは全体的に塗り進めていくことです。
下塗りから完成まで、丁寧に解説していきます!
キャラクターの塗り方

ペン入れが終わった線画を用意しましょう。
塗りではレイヤーの順番が大切なので、
それもあわせて解説します。
塗り忘れ防止のために、背景色を変える

塗り忘れを防ぐために、背景の色を変更します。
薄い抹茶色がオススメです。
塗りつぶしする時は、ショートカット「Alt+Del」が便利です。
- 「用紙レイヤー」のすぐ上に、新規レイヤーを作成します。
- 描画色で抹茶色を選び、画面を塗りつぶします。
パーツごとに色分けする

まずはパーツ分けからです。
肌、服、髪など、パーツごとに切り分けていきます。

下塗りでは、バケツツールを使います。
バケツツールの中から「他レイヤーを参照」を選びましょう。
バケツツールの設定は、下記の通りです。

肌パーツから作るので、描画色を肌色にします。
色の調整は後から出来るので、だいたいでokです。
バケツツールを選んだ状態で、キャラの肌になる部分をクリックします。

顔の部分に肌色が置けました。
他の肌部分にも、どんどんクリックしていきます。
はみ出して塗るのがコツ
パーツ分けの時に、はみ出して塗るのが
仕上がりをキレイに見せるコツです。

リアルでの立体を考えてみましょう。
肌は下着や服、髪の毛の下になります。
このように、下に隠れるパーツは、
わざとはみ出して塗るのがポイントです。

線画を非表示にすると、塗れていないスキマがたくさんあります。
このスキマも仕上がりが汚くなるので、ブラシで埋めておきましょう。
レイヤーの順番に注意!
立体で下になるパーツから、どんどん切り分けていきましょう。
もちろん上に別のパーツが来る予定の所は、はみ出して塗ります。
レイヤーの並び順は、リアルと同じにすると分かりやすいと思います。
- 髪の毛
- 装飾品
- 服
- インナー
- 肌
レイヤーの詳しい説明は、
「【イラストの基本】レイヤーの分け方、管理方法を解説」
という記事にまとめています。
今回の線画では顔を別レイヤーに描いているため、
この段階では目や口などのパーツ分けはしません。
光源を決めて、下塗りをする

パーツ分けが終わったら、いよいよ影を塗ります。
先に光源を決めておくことが大切です。
理由がなければ、光源は斜め上がオススメです。
下塗りでは、1枚のレイヤーで全体的に影を入れていきます。


描画色を薄いグレーにして、ザックリと影を入れます。
顔や首の丸みを意識して、塗りましょう。
次に「落ち影」を塗ります。
光がさえぎられて、落ちる影のことです。
例えば前髪の下や、首元にできる影が「落ち影」になります。
色をのせてカラーにする
グレーだった影に色をのせます。

- 合成モードを通常に変更し、透明ピクセルをロックします。
- レイヤーをコピーして、各パーツにクリッピングします。
- もとの「下塗りレイヤー」を、非表示にします。

コピーのやり方は、レイヤーを「新規ラスターレイヤー」にドラッグです。
各レイヤーの色を、「Alt+Del」で変えていきましょう。
色変えが終わったら、透明ピクセルのロックを解除しましょう。
全体的に塗りを進める
柔らかい質感を出したい所や、
エッジがキツイ影をぼかして馴染ませます。
使うツールは2つです。

まず、ぼかしツールで影のエッジをこすります。
次に柔らかめの消しゴムで、優しく薄く、影を削りましょう。
どちらも、一筆でやるのがコツです。

顔や胸の丸み、髪のエッジなどを削って
絵を全体的に軟らかくしていきます。
服のシワなども、どんどん描き込みましょう。
目の塗り方

影はいったんおいて、目を塗りましょう。
新しくフォルダを作り、顔の線画レイヤーを移動します。
目や口のパーツ分けもしましょう。

目の上から1/3ぐらいに影を置き、両端を好みでぼかします。
別レイヤーで目の中心に大きな楕円を描き、
内側を消しゴムで削ったら基本の影はokです。
明るい色を入れて、瞳のレンズ感を出します。
ベースよりも少し明るい色を入れ、
その上から更に明るい色を、別レイヤーで描き込みましょう。

中心に小さな楕円を描くことで、瞳孔を表現できます。
まったく別の色をエアブラシで入れたり、工夫してみましょう。
好きな絵師さんの描く目を、マネしてみるのがオススメです。

線画レイヤーの上にレイヤーを作り、ハイライトを描き込んだら完成です。
このタイミングで白目や口も塗ってしまいましょう。
2影と抜きで色幅を作る
全体の影塗りに戻ります。
影の中にもっと暗い色を追加して、立体感を出していきましょう。

2影は置きすぎないのがコツです。
落ち影の部分や、服のシワなどに描き込んでいきましょう。
面が大きい1影を、消しゴム「軟らかめ」で削ることでも、
変化をつけることが出来ます。
ハイライトを入れる
最後にハイライトを追加します。
体の丸みのなかで、トップになる所に入れましょう。

髪の毛や胸などにハイライトを入れました。
好みですが、ほっぺたや唇に入れるのも可愛らしくなります。
髪の毛のハイライトは「真っ白」ではなく、
ベースの色に合わせると、綺麗になじみます。
描き込みをしてクオリティを上げる
イラスト全体に一通り手が入りました。
あとは時間がゆるす限り、描き込みをしていきます。
細かい部分を描き込んだり、反射の光を入れたり・・・

やりすぎると、重たい印象になってしまいます。
また、1枚の絵に時間を掛けすぎるより
枚数を描いた方が、初心者は上達が早いこともあります。
ほどほどで筆を置くようにしましょう。
仕上げのテクニックを紹介
仕上げのテクニックを紹介します。
どれもすぐ使えるものばかりです!
線画の色トレス
線画の色を変えることを「色トレス」と言います。
色トレスは、ほとんどの絵師がやっています。
使用ツールはエアブラシがオススメです。
- 線画レイヤーの透明ピクセルをロックして、こげ茶色で塗りつぶします。
- 次に、線画の上にレイヤーを作り、クリッピングします。
- 塗りのパーツ合わせて線の色を変えていきましょう。
あまり毛を描く

あまり毛を描くかは好みです。
描きすぎるとうるさくなるので、少なめにするのがポイントです。
レイヤーマスクで目を半透明にする
目に前髪がかかるキャラを描く場合は、レイヤーマスクを使って半透明にします。

顔のレイヤーフォルダを選び、「レイヤーマスクを作成」をクリック。
フォルダマークの右に、白い四角が出てきます。
以降の作業は、この四角を選んだ状態で行います。
消しゴムの「ざっくり」を選び、髪の毛に被っている部分をなぞりましょう。
(色はなにを選んでも関係ありません。)
すると、なぞった部分が消えます。

エアブラシを選び、消した部分をサッと撫でます。
すると半透明で見えるようになったと思います。
好みの状態になるまで、ブラシをストロークしましょう。
色調補正

もっと鮮やかな色にしたい・・・
などの場合に使うテクニックです。

補正レイヤーをクリックすると、スライドバーが3つ出てきます。
バーを左右にスライドすることで、色合いを調整できます。
色調補正レイヤーは自動でマスクが作成されます。
マスクを使って、部分的に補正することも出来ます。
塗りをする時のコツ
塗りをする時のポイントを抑えておきましょう。
うまい絵師は必ずやっています。
画面を引いて、全体を常にチェック

イラストは全体のバランスが大切です。
塗りを進めている途中も、常に全体をチェックしましょう。
いちいち画面を引いて確認するのは面倒なので、
全体をチェックできるウィンドウを作るのがオススメです。
キャンバスを左右反転して、バランスを確認する
左右を反転すると、バランスの狂いに気づけます。
ラフの段階から左右反転は、頻繁に使ってチェックしましょう。

左右反転は使用回数が多すぎるため、
いちいちメニューから選んでいられません。
そこでオススメなのが、ショートカットキーの登録です。
押しやすいキーを設定しましょう。
レイヤーの管理方法について
レイヤーに関する質問は、
初心者Q&Aでいつもトップ3に入ります。
参考にいくつか、レイヤー構成をお見せします。
初心者向けのレイヤー構成
レイヤー数が多くなりすぎて困った!
という人は、ルールを決めましょう。

初心者のうちは、表情を分けておいた方が、
顔の修正が簡単なのでオススメです。
色のフォルダの中身は、こうなっています。

- 仕上げ
- ハイライト
- 2影
- 1影
- パーツ(肌など)
赤で囲っているレイヤーが1セットです。
肌、服などのパーツごとに、全てこの構成になっています。

塗ってる途中でレイヤーが増えても、
キリのいい所で1色1レイヤーに結合しましょう。

顔フォルダの中身も、同じレイヤー構成になっています。
線の上にあるレイヤーは、目のハイライトです。
レイヤーフォルダの活用

パーツごとにフォルダ管理するのもアリです。
装飾が多いキャラなどで活用しましょう。
将来的なレイヤーの構成

将来的な話をしておきます。
絵が上手くなってくると、
多くの人はレイヤー数を減らすようになります。
少ない方が、修正がラクだからです。
レイヤーを探す手間がなく、名前すら付けていません。
「乗算」などは結合できないため、分かれています。
合成モードについて
塗りって合成モードはどれがいいですか?乗算ですか?
A.なんでもいい!
はい、ちゃんと解説します・・・(;’∀’)

レイヤーには「合成モード」というのがあり、
新規レイヤー作成時には「通常」になっています。
よく使う合成モードは下記の通り。
- 通常・・・選んでいる色のまま塗られる。もっともよく使う
- 乗算・・・下の色と選択色が掛け合わされる。暗くなる、濁る
- 発光・・・覆い焼きや加算と使い方は同じ。ハイライトなどに
- ソフトライト・・・明るい部分はより明るく、暗い部分は暗く
- オーバーレイ・・・ソフトライトよりコントラスト強め

基本的にはどれを使っても構いません。
よくあるのは、髪のハイライトに発光を使うパターンです。
簡単にテカテカ感を出すことが出来ます。
女性キャラのような透明感のある肌などで使うには、
かなりのデッサン力と練習がいるので難しいです。
初心者のうちは、通常で影塗りをするのが無難でしょう。
まとめ:たくさん塗ると早くなる

今回の講座は「キャラクターの塗り」でした。
初めは時間がかかる塗り作業ですが、
自分のパターンが見つかると圧倒的に早くなります。
たくさん塗って、自分の塗り方を見つけましょう。
おしまい!(*’▽’)ノシ